【地獄】トルコリラ10年積立、“金利より為替損”で全ロスww
「高金利なら勝てる」は幻想?——10年の積立を為替変動とスワップ(金利)に分解し、どの条件で“金利<為替損”が起こるのかをロジカルに可視化します。
1. 前提とシミュレーション条件
想定パラメータ(モデル)
- 積立期間:10年(120ヶ月)
- 毎月の積立額:1万円(円→TRYの定額購入)
- スワップ(年率換算):可変レンジで5%〜40%を感度分析
- 為替:TRY/JPYが緩やかな下落/急落/横ばいの3シナリオ
- コスト:往復スプレッド+手数料を簡易的に年率0.5%相当で控除
- 税:簡易モデルでは控除せず、参考値として別途言及
評価は「期末の円換算時価 −(拠出総額)=損益」で算出し、同時に金利寄与と為替寄与を分離します。
2. 結果サマリー:なぜ“全ロス”に見えるのか
地獄パターンの条件例
- 年率▲20〜30%級の通貨安が複数年継続
- 下落トレンド中に定額で機械的に買い増し(ナンピン)
- スワップは高いが、元本棄損の速度>金利の積み上がり
この状態だと「金利で増えているはずなのに、円換算すると資産が減る」という体感ギャップが生まれ、“全ロス”に近い心理的ダメージになります。
3. 分解分析:為替・金利・タイミング
① 為替寄与(ネガティブ)
高インフレ・高金利は通貨価値の下落と表裏一体。名目金利が高くても、実質金利がマイナスなら通貨は弱くなりがちです。
② 金利寄与(ポジティブ)
スワップはポジティブキャリーを生むが、ボラティリティが高い通貨では為替の一撃で帳消しになりやすい。
③ タイミング(ドルコストの罠)
定額積立は平均取得単価を下げる一方、長期の右肩下がりトレンドでは“安くなり続ける資産を買い足し続ける”行為になり、効果が出にくい。
4. ケース別:勝てる/負ける境界線
◎ 生存ライン
- 通貨下落が年率▲5〜10%程度に収まる
- スワップのネット利回りが年率+15%超で安定
- 急落後の反発局面で買付強化(裁量)
△ ギリギリライン
- 下落が年率▲10〜15%でスワップと拮抗
- ボラが高く、一時含み損が長期化
- 税・コストを入れると実質トントン
× 地獄ライン
- 下落が年率▲20%超で複数年
- スワップ<為替下落で実質マイナス
- 反発不足のまま時間切れ
※ 実際の水準は時期・業者・建玉条件で大きく変わります。あくまでモデルの境界イメージ。
5. 回避策:地雷を踏まない3ステップ
- シグナル連動型の買付に切替:長期下落トレンド中は買付を抑制し、
移動平均の上抜け/ドローダウン回復などの簡易条件で再開。 - 通貨分散:メキシコペソや米ドルなどと組み合わせ、単一通貨の下落を希釈。
- 出口の設計:目標リターンや最大許容ドローダウンを数値で事前定義し、反発局面で部分利確。
6. よくある質問
Q1. スワップが高ければ最終的に勝てますか?
いいえ。通貨安が続けば金利より為替損が大きくなることは普通に起こります。
Q2. 10年も積み立てれば平均化で救われる?
トレンド次第。右肩下がりが続く資産は、ドルコストでも救われないケースがあります。
Q3. いつ買えば良い?
“ずっと買う”より、反発確認後に段階的に入る方が期待値が改善しやすいです。
7. まとめ:高金利=安全ではない
- 金利の積み上がりより為替の下落が速いと、体感は“全ロス”。
- 定額積立はトレンド無視のため、右肩下がり資産では不利。
- 買付シグナル+分散+出口設計で“地獄パターン”を回避。




