【2025年最新版】トルコリラ円の見通し|政策金利とインフレ率から読み解く今後の動向
2025年現在、トルコリラ円(TRY/JPY)は依然として不安定な推移を続けています。本記事では、最新の政策金利やインフレ率などの経済指標をもとに、今後の為替動向を多角的に分析していきます。
■ トルコリラ円の現状と最新レート(2025年7月時点)
現在のトルコリラ円は「5.8円」前後で推移しており、長期的な下落トレンドが継続しています。2019年からの推移を振り返ると、その背景には高インフレ・通貨安・政治リスクが複雑に絡み合っています。
■ トルコの政策金利の推移とその影響
2024年以降、トルコ中銀は急激な利上げを実施。2025年時点の政策金利は45%と、世界でも類を見ない高金利水準となっています。
この高金利は、一時的にはリラを支える要因になり得ますが、インフレとの“いたちごっこ”が続く限り、本質的な安定にはつながりません。
■ トルコのインフレ率の現状と今後のリスク
2025年のインフレ率は30%台を維持しており、日常生活への影響も深刻です。物価上昇に歯止めがかからず、通貨の購買力は年々低下しています。

政策金利が上昇しても、期待インフレが高止まりしているため、実質金利はマイナス圏である点もリスクです。
■ トルコリラ円の為替推移(2019〜2025年)
以下はトルコリラ円の長期チャートです。2020年以降の下落幅が顕著で、2025年はついに6円割れの水準に突入しました。

この下落トレンドは、投資家の信認の低下、中央銀行の独立性懸念、外貨準備の枯渇などの構造問題に起因しています。
■ 今後のシナリオ:回復か、さらなる下落か
- 上昇シナリオ:インフレ沈静+金利安定→7円台回復
- 下落シナリオ:政治不安再燃+インフレ悪化→4円台突入
- 横ばいシナリオ:高金利維持+不透明感継続→5〜6円台レンジ
どのシナリオも、リスク要因の複雑さを踏まえた中長期視点での分散投資が求められます。
■ スワップ投資家が取るべき戦略とは
- 高スワップは魅力だが、為替損がそれを上回る可能性も
- 毎月少額ずつの積立 or スプレッドの狭い業者を活用
- 指値+逆指値(リスク管理)を徹底する
■ まとめ:2025年のトルコリラは“リスク管理”が全て
スワップ狙いの高金利投資としてトルコリラは魅力的ですが、為替リスク・政治不安・インフレなど多くの“地雷”が潜んでいます。あくまで分散投資の一部として冷静な判断が求められます。
■ なぜ“高金利通貨”なのに投資家が逃げるのか?
トルコリラは「政策金利45%」という驚異的な水準にもかかわらず、海外投資家の資金流入は鈍いのが現実です。
その理由として、以下の要素が挙げられます:
- 中央銀行の独立性が低い: エルドアン大統領による人事介入がたびたび問題視
- 金融政策の一貫性の欠如: 急激な利下げ・利上げの繰り返しで信頼低下
- インフレのコントロール不足: 市場が期待する水準までインフレを抑えられていない
結果として、「高金利=リスクが高い通貨」と判断され、短期的な投機対象にはなるものの、長期保有の対象にはなりづらい状況です。
■ 他の高金利通貨(メキシコペソ・南アランド)との比較
スワップ投資先として人気の通貨である、メキシコペソや南アフリカランドと比べても、トルコリラはボラティリティが突出しています。
通貨 | 政策金利(2025年) | インフレ率 | 為替の安定性 | スワップ魅力度 |
---|---|---|---|---|
トルコリラ | 45% | 30%超 | 極めて不安定 | 高いが為替リスク大 |
メキシコペソ | 11.00% | 4.5% | 比較的安定 | バランス良好 |
南アフリカランド | 8.25% | 5.0% | やや不安定 | やや魅力あり |
この比較からもわかる通り、トルコリラは金利は高いがリスクも高い、まさにハイリスク・ハイリターンの通貨であるといえます。
■ 2025年後半〜2026年に向けた注目イベント
今後、トルコリラの動向を左右する要因として、以下のイベントが注目されています。
- 7月: 中央銀行の金融政策決定会合(利下げ転換の兆しがあるか)
- 9月: 欧米との関係悪化が再燃する可能性
- 2026年春: 総選挙が予定されており、政策の大転換リスクも
こうした地政学的・政治的イベントは、為替に大きな変動をもたらす可能性があります。ポジション保有前には必ずスケジュール確認を。
■ 中長期での回復シナリオはあるのか?
現時点では悲観的な声が多いトルコリラですが、構造改革+金融引き締めの継続が実現すれば、次のような反転シナリオも見えてきます:
✅ 期待される回復条件
・中銀の独立性強化
・インフレ率の1桁台定着
・外資の再流入
・経常収支の改善(観光・輸出主導)
→ 2026〜2027年にかけて「7円〜8円台」への回復もあり得る
現状はまだ材料不足ですが、「最悪期を脱した」というシグナルが出たタイミングで投資妙味は一気に高まると考えられます。
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