【悲報】トルコリラ、金利15%でも“止まらない通貨安”で草w
「金利が高い=勝てる」は幻想。高金利通貨の王道だったはずのトルコリラ(TRY)は、政策金利の引き上げが続いても対主要通貨で下落が止まらない局面が多く、スワップ益<為替差損というお決まりの展開に陥りがちです。本記事では、金利・インフレ・経常収支・政策信認の4視点で「なぜ下がるのか」を分解し、個人投資家が踏む地雷と回避策をまとめます。
1. 「高金利=買い」の罠:金利差だけ見ても勝てない
スワップ狙いは時間を味方にできる一方、為替の下落が一定幅を超えると一瞬で帳消し。特にTRYは、①構造的な高インフレ、②外貨調達への依存、③政策の不確実性の3点が重なり、リラ安のトレンドが発生しやすい通貨です。
- 名目金利↑でも、実質金利(名目金利-インフレ率)がマイナスなら通貨の購買力は削られる
- 外貨準備や経常収支が弱いと、ショック時に資金流出が加速しやすい
- 政策の一貫性・透明性が疑われると、海外マネーは滞在時間が短くなる
結論: “金利が高い”は入り口の条件にすぎない。実質金利・インフレ見通し・需給(経常/資本)・政策信認まで見て初めて勝負の土俵に立てる。
2. TRYが沈みやすいメカニズム
① インフレが通貨価値を食う
エネルギーや食料の価格上昇は、輸入比率が高い国の通貨を直撃します。物価が先に走れば、名目金利の引き上げが追い付くまでの期間に通貨安が進行しやすい。
② 経常収支・外貨準備の壁
観光・輸出が伸びても、輸入価格の上昇や外貨債務返済が重いと、需給は改善しにくい。危機時に防衛弾(外貨準備)が少ないと、防戦売りが加速します。
③ 政策の予見可能性
予想外の規制・介入・人事の変更は、アルゴや機関のリスクモデルで一気に「回避対象」へ。短期で戻しても長居しない資金が増え、トレンドが安定しない。
3. メキシコペソ(MXN)と何が違う?
- 実質金利の差:インフレ抑制が進んだ局面では、名目だけでなく実質金利がプラス維持されやすいMXNが相対優位。
- 対米サプライチェーン:近隣生産(ニアショア)の恩恵で外貨獲得力が底上げ。構造的なドル流入が評価されやすい。
- 政策の透明性:完全ではないにせよ、金融政策のガイダンスが比較的読みやすい。
この差が、「スワップは同じくらいでも、為替で決まる勝負」の結果を分けます。
4. 個人投資家がやらかす“3大ミス”
- 金利だけで全力ロング:レバレッジ×長期保有は、トレンド転換なしでは致命傷になりやすい。
- ナンピンで口座が硬直:証拠金を食いつぶし、機動力を失って“戻りで減らせない”状態に。
- ニュースの見出しで逆張り:利上げヘッドラインに飛びつくと、材料出尽くしで下落というあるある展開。
5. それでもTRYで戦うなら:現実的な型
最低限のルール
- レバレッジは等価1~2倍を上限目安(証拠金は常に厚め)
- 裁量は分割エントリー×分割決済(1/3ずつ)で一撃死を回避
- 上昇の“構造理由”(インフレ鈍化、経常赤字縮小、外貨流入)が揃うまではヘッジ前提
ヘッジと時間分散
短期はUSD/TRYの押し目買いに逆らわない方が安全。現物/CFD/FXのどの器でも、時間分散と損切りの事前設定が重要です。
6. 失敗しないためのチェックリスト
- 実質金利(名目-インフレ)を毎月確認しているか
- 経常収支・外貨準備の方向性を追っているか
- 急変時の最大想定損失(許容ドローダウン)を数値化しているか
- ナンピンの上限回数・価格帯を先に決めているか
- イベント前後はポジションを半減する運用ルールがあるか
7. まとめ:TRYは“短距離走”、MXNは“中距離走”
トルコリラはニュースの破壊力が大きく、テクニカルもブレやすい“短距離走の相場”。一方、メキシコペソは外需と政策の読みやすさから“中距離走”になりやすい。金利だけで選ばない、これが結論です。どうしてもTRYで挑むなら、ポジションを軽く・検証は重くが生存戦略になります。



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