敗者のゲーム[原著第8版] (日本経済新聞出版)
チャールズ・エリス
日経BP
2022-01-01

【落とし穴】新NISAで人気の高配当ETFを買って後悔した人の“共通点”とは?

2024年から始まった新NISA。中でも「高配当ETF」は根強い人気があります。
VYM・HDV・SPYDといった米国ETFを選ぶ人も多いですが、実際に運用してみると「思ってたのと違う…」という声も。

■ 後悔した人の“3つの共通点”とは

  • ① 分配金だけで資産が増えると思っていた
  • ② 為替リスクを甘く見ていた
  • ③ 税金や信託報酬の影響を見落としていた

「高配当=安心」と思われがちですが、相場が荒れた時や円高が進行した時には、
配当よりも元本割れのほうが痛手になることもあります。

■ 実際の分配利回りの推移(2021〜2025)

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以下のグラフは、VYM・HDV・SPYDの直近5年間の分配利回り推移です。

たとえばSPYDは高利回りで知られていますが、その分値動きも荒めです。

逆にVYMは比較的安定していますが、2025年は利回り3.0%と低下傾向。

■ 【比較表】高配当ETFの特徴まとめ

ETF名利回り(2025)経費率特徴
VYM3.0%0.06%大型安定銘柄中心。配当も安定。
HDV3.6%0.08%財務健全性重視。医療・エネルギーが多い。
SPYD4.2%0.07%高利回りだが変動大きめ。REIT比率高い。

■ ネットの声・5ch風コメント集

【悲報】VYM買ったけど為替で全然増えなくて草
→ ドル建てで見たらプラスだけど、円建てだと全然…

HDVは配当良いけど、構成銘柄が地味すぎるww

SPYDでウキウキしてたら株価下がって利回り意味ない件

結局オルカンにしとけばよかった説(毎回出るやつ)

税金考えたらNISAでも米国ETFってどうなのよ?

■ 筆者の結論:高配当ETFは「目的」と「分散」で選べ

新NISAで高配当ETFを買うのは正解の一つですが、「利回りだけで判断する」のはNGです。
・生活費補填用なのか
・長期積立で再投資を前提とするのか
目的に応じて「バランス型」と組み合わせるのが有効です。

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■ 高配当ETFで“思わぬ損”をする3つの盲点

① 為替レートで配当が目減りする現実

米国ETFは基本的にドル建てです。
2025年のように円高傾向(例:1ドル=155円→145円)になると、円換算の受取配当が目減りします。

例えばSPYDから「年間3万円相当のドル配当」が出たとしても、円高になると受取額が27,000円に減少するケースも。

② 配当再投資が“手動”なのが意外と面倒

新NISAで米国ETFに投資すると、分配金は現金で支払われるため、再投資は「自分で買い直す」必要があります。
その際、ETFの価格が上がっていると“買い増しにくい”心理的障壁も。

一方、投資信託なら自動で再投資される(再投資型)ので、手間も少なく複利効果も得やすいです。

③ 配当で“課税される構造”はNISAでも避けられない

「NISAは非課税」と思われがちですが、米国ETFの配当には米国で10%課税されます(源泉徴収)。
つまり、VYMやSPYDの配当は、実質的には全額非課税にならない点に注意が必要です。

これが「オルカン(投資信託)との隠れた差」であり、長期的に見ると運用効率が変わってきます。

■ じゃあ、どうすればいい?解決策3選

  1. ・利回りだけでなく“総リターン”で比較する
     ETFの価格変動+分配金を合わせて判断することが重要。
  2. ・再投資戦略を事前に決めておく
     受け取った配当を「どのタイミングで買い増すか」をルール化しておく。
  3. ・“為替影響が少ない資産”もポートフォリオに組み込む
     円建て資産(日本株、REIT)や金ETFなどでバランスを取る。

■ 【結論】高配当ETFは“使い方”を間違えなければ優秀

高配当ETFは、老後の生活費補填や分配金生活を目指す人にとっては有力な選択肢です。
ただし、「配当=正義」ではなく、税金・為替・タイミングを理解しておく必要があります。

その上で、新NISAを“積立+キャッシュフローの両立口座”として設計できれば、高配当ETFの魅力は最大化されます。

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清原達郎
講談社
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■ 読者からのよくある質問(Q&A形式)

Q1. 高配当ETFは配当金を自動で再投資してくれるんですか?

A. 米国ETF(VYM・HDV・SPYDなど)は、基本的に自動再投資はされません。配当金は現金で振り込まれるため、再投資は自分で行う必要があります。

Q2. NISA口座で買えば米国ETFの配当に税金はかかりませんか?

A. 残念ながら米国内で10%の源泉徴収税が発生します(日本側は非課税)。
つまりNISAでも完全な非課税にはなりません。この点が投資信託との違いです。

Q3. 配当利回りが高いETFを選べば絶対お得ですか?

A. 利回りだけで判断するのは危険です。株価の値下がりや為替変動、銘柄の偏りなどを考慮する必要があります。
「利回り高い=安全」ではない点に注意しましょう。


■ NISA初心者向け!よくある3つの勘違い

🌀 勘違い①「NISAで買えば何でもお得」

→ 新NISAは非課税の枠があるだけで、含み損・元本割れのリスクは当然あります。
むしろ“損益通算できない”というデメリットもあるため注意。

🌀 勘違い②「成長投資枠は個別株で勝負する場所」

→ 個別株の集中投資はリスクが大きく、新NISAの主旨には不向きです。
ETFや分散型の投信の方が合理的に使いやすいです。

🌀 勘違い③「高配当ETFなら配当だけで生活できる」

→ 配当生活には「多額の元本+為替安定+再投資戦略」が必要。
年利3〜4%の配当では、1,000万円で得られるのは年間30〜40万円程度。副収入として考えるのが現実的です。


■ ETFの分配金月まとめ(2025年版)

ETF名分配月備考
VYM3月・6月・9月・12月年4回の均等型。安定感あり。
HDV3月・6月・9月・12月医療・エネルギー中心。財務健全。
SPYD3月・6月・9月・12月REIT比率高め。利回り重視型。
JEPI毎月毎月配当型。カバードコール戦略を採用。
QYLD毎月毎月配当型。NASDAQベース。リスク高め。

👉 配当月を分散させると、毎月収入のある“擬似配当生活”が可能です。
JEPIやQYLDを組み合わせることで、月々のキャッシュフローを安定化できます。

■ 関連note:分配月を組み合わせたポートフォリオ設計

▶【note】毎月配当を目指す!ETFの分配月活用術

■ カバードコール型ETF特集|高配当の“裏側”を知る

近年人気の「毎月配当型ETF」は、実はカバードコール戦略によって高利回りを実現しています。

ETF名戦略内容利回り(目安)リスク
JEPI S&P500×オプション売り 約7〜10% やや低リスク。人気急増中。
QYLD NASDAQ100×カバードコール 約10〜12% 高配当だが元本成長しにくい
XYLD S&P500×カバードコール 約8〜10% 価格停滞気味。中長期向け

🔍 メリット

  • 毎月安定した配当収入が得られる
  • 株価下落局面でも配当を維持しやすい

⚠ デメリット

  • 株価上昇時の“伸びしろ”を放棄する構造
  • 長期的にはトータルリターンが伸びにくい

配当目的なら強力な選択肢ですが、「資産成長」ではオルカンやVTIの方が適しています。

■ 為替ヘッジあり/なしETF比較|NISAでの選び方は?

項目ヘッジなしヘッジあり
為替の影響 受ける(円高で評価損) 受けにくい(為替を一定化)
信託報酬 低め(例:0.093%) やや高め(例:0.20〜0.30%)
長期投資との相性 ◎(リスクもリターンも大) △(リターンも一定化される)
人気例 オルカン(ヘッジなし)
VTI・VOO・VYMなど
eMAXIS Slim先進国(為替ヘッジ)
iFreeNEXT 米国株ヘッジ型

✅ 新NISAにおけるポイント

  • 長期視点なら「為替ヘッジなし」の方が一般的
  • 「数年以内の引き出し」を想定するならヘッジありも選択肢

■ まとめ:配当・為替・戦略の3軸で選べば失敗しない

「高配当ETF=正解」ではなく、運用目的・為替耐性・リターン特性を理解することが重要です。
特に新NISAでは、“非課税の恩恵を最大化できるか”が成功の分かれ目。

JEPIやQYLDのようなカバードコール型をスパイスに加えるのも一手ですが、基本軸はやはり分散投資と再投資戦略。

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ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
新NISAでのETF選びはシンプルに見えて奥が深く、配当・為替・税金・再投資など多くの視点が求められます。

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